ジトジトしてうっとおしいけど、雨が降るのは嫌いじゃない。
20代のころ住んでいた部屋のお風呂を思い出す。
小次郎さんが営む建材屋の2階。
女性限定で二戸だけ用意されたアパートに住んでいたあのころ。
雨が降ると、近所のトタン屋根をリズミカルに打つ雨粒のパーカッション・セッションを聴くことができた。
小次郎さんのお店の前の小さな通りを「小次郎通り」と名付けて、週末は隣室のデザイナーとビールを飲みながら洗濯機を回していた。
時が経ち、二人とも「関さん」になっていて、笑った。
静かに雨が降る週末、狭い浴槽で雨音に耳を澄ますと、
トタン屋根を打つ音が優しく包んでくれた。
涙はバスタブの中に流れ、少しずつ心がほぐれていくのをただ、待っているような時間もあったなぁ〜
生まれ月だけど、毎年ちょっとブルーになる季節を最近少しだけ好きになったような気がする。
雨が映し出す風景